「事故に巻き込まれて遅れた」
約束の時間を過ぎて20分後、心配していたキラの部屋へとイザークがやってきた。 その姿はびしょ濡れで、あちらこちらからぽたり、ぽたりと雫が落ちている。 天気は完全に制御されている為、雨の降る時間は決まっている。 だから予定ではその時間より前に、キラの部屋についているはずだったのだ。 しかし、エレカの事故があり、イザークはその時間には間に合わず、こうしてキラの部屋に来るまでに濡れてしまったというわけだった。 「今、タオル持ってくるから、入って!」 濡れているイザークにすぐタオルを渡そうと、キラは急いでタオルの入ったパネルを押し、タオルを出してイザークの元へと急ぐ。 キラが居間に戻ると、イザークは雫を滴らせている髪をうっとうしそうにかき上げているところだった。 そんなイザークに、キラはタオルを渡すのを忘れるほど見とれてしまう。 男性が美しいと思われても全然嬉しくない事は知っている。 特にイザークは容姿を誉められるのが好きではない。 それでも、キラはイザークに見とれてしまうのだ。 強くて、揺るがない存在の美。 イザークの美しさを表現するとなったら、キラはそう表現するだろう。 美しいだけでは人の目を惹きつけることはない。 完成された美の中に、その本質をすかし見る事が出来るからこそ惹かれるのだ。 同じ男性でありながら、イザークはキラを惹きつけてやまない存在だ。 キラは、ゆっくりとイザークに近づく。 髪をかき上げていたイザークの手を掴み、髪の中に反対の手を差し入れて、顔を引き寄せ、そっとその唇を重ねた。 いきなりのキスに、イザークも少し驚いたものの、キラからのキスは初めてではなかったので、すぐキラの為に、キスしやすいようにと少しかがんでやる。 他の男にキスをされようものなら、2度と起き上がれないほどぶちのめしているが、イザークはキラにだけはしたいようにさせる。 キラとの関係は、愛だの恋だので、言葉に表現出来るような想いではないのだ。 ただそこにキラがいて、自分がいる。 キラがキスしていて、自分はそれを受けたいから受ける。 それ以外に理由などイザークにはいらないからだ。 それから、雨の降る日に会う時は、イザークはキラから必ずキスをされることとなる・・・・・・。
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水もしたたるいい男って、やっぱり定番でしょ!
そんで、イザークの色気にやられたキラちゃんがふらふらとあだるちーな気分に、って話が浮かびまして。(2004/01/26)